| いのちはつるかめのごとく さいわいは月のまさり潮のみつがごとく 富城殿女房尼御前御書(昭定一七一〇) |
| 【一月】 新年を迎え、世界平和、人々の健康や幸福を祈らない人はいないと思います。 この一節は、大聖人を外護し、檀越の中心的な役割を果たした富木夫妻の夫人へ宛てたものです。 富木夫婦は大聖人のお弟子となり、後に六老僧の一人に数えられる日頂上人を幼少から養育しておりました。その日頂上人が身延山での修行に励むなか、夫婦のもとに帰省する旨を大聖人がしたためたご消息です。 大聖人は立派に修行をおさめている日頂上人を誉め称えるとともに、ここまで育て上げた富木夫婦へのご恩に感謝し「寿命が鶴亀の如く、また月の光が満月に向かって増すが如く、潮が次第に満潮に近づくが如くに、少しずつ幸福が増すよう法華経にお祈りしなさい」と仰せになられたのです。 労を厭わず育てた我が子がお師匠さまである大聖人の厚い信頼を得ているとなれば、夫婦はさぞ喜ばれたことでしょう。 子どもを育てるということは、親の大切な仕事ですが、同時に仏道の功徳を積むことでもあるのです。それは親の子でありながら、仏さまの子であるからに他なりません。 功徳を積むということは、じつは何気ない日常生活の中にたくさん潜んでいるように思います。 法華経の精神は、自己の功徳を自身のものとせず、一切衆生に廻らし向け、生命あるものすべてが等しく成仏することを願うのです。 私たちも功徳を積み、ご本尊の前でお題目を唱え、廻向し、信心を深めていきたいものです。 |