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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より解説者の役職・所属寺院名などは掲載当時のもの

法華経は正像二千年よりも末法には殊に利生有るべし

出展:薬王品得意抄(昭定三四0)
解説:村上東俊 学林助教授・多摩 立正院住職

法華経は正像二千年よりも末法には殊に利生有るべし

 多くの教典には、釈尊滅後、時代の経過とともに人々の機根が衰えることから、仏法による人々を救済する力が失われ、社会に混乱と退廃が起こると説かれています。そしてその過程を正法・像法・末法の三時代に区分したのです。
 正法とは、釈尊滅後からの千年を指し、仏法が栄え救えと修行、そして修行による悟りの証が得られる正しい仏教が持続する時代。像法は、正法後の千年を指し、熱心に仏法は聴聞されますが、修行をする者が少なく、悟りを得ることが困難な時代。末法は、仏法を聴く者も少なく、人々は邪見を増して争いを繰り返し、修行をしても到底悟りを得ることができない時代です。
 大聖人在世の鎌倉時代は、まさに末法の初めであり、社会は危機的状況に瀕しておりました。そして、大聖人は現実に直面しているこの惨状と対時し、法華経色読を通じて、本門寿量品を中心とした法華経こそが、末法現代において人々を利益する最もすぐれた教えであると確信されたのです。
 神力品で本仏釈尊は、久遠の昔にすでに教化していた菩薩(本化の菩薩)」に釋尊滅後における布教の使命を託しました。大聖人はこれを本仏釈尊おん自ら、釈尊滅後の末法には、妙法蓮華経を弘めよとお弟子たちに命じたことに他ならないと信解されたのです。
 法華経の行者たる大聖人は、この仏勅を受けた本化菩薩の最上首、上行菩薩の応化であるとの自覚に立ち、末法濁悪の世における導師として、人々と社会の救済のためにお題目を弘通されたのです。

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