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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より

散りし花も又咲きぬ 落ちし菓も又なりぬ

出展:千日尼御返事(聖壽五十九歳 昭定一七六二頁)
解説:学林教授・中原本門寺住職 光林孝玄

散りし花も又咲きぬ 落ちし菓も又なりぬ

 夫の亡骸(なきがら)を子息に預(あず)け、佐渡(さど)から身延(みのぶ)に届けられた篤信(とくしん)の徒・千日(せんにち)に送られたこ消息からの一文です。
 同書では、右の言葉に続いて、
 春の風も変わらず、秋の景色も去年(こぞ)のごとし…月は入(い)りて又出(い)でぬ、雲は消えて又来たる…人の出でて帰らぬ事こそ天もうらめしく地も嘆かしく候(そうら)へ。
 花や菓、月や雲…四季は同じように巡り来たるのに、先立たれた愛(いと)しき人が再び戻らぬ悲しみ。
 遺族の胸の奥底にある悲しみに、大聖人は更(さら)に語りかけます。
 法華経(ほけきょう)を粮料(ろうりょう)と恃(たの)みまいらせ給(たま)いて、霊山浄土(りょうぜんじょうど)へ詣(まい)らせ給(たま)いて見参(みまい)いらせさせ給(たも)うべし。
 千日尼も法華経(ほけきょう)への信心を貫き通して今生を大切に生きたならば、必ず霊山浄土へ往詣(おうけい)し、夫阿仏坊(あぶつぼう)との再会を果たされるものでありましょう。母子ともに信心という宝を大切になされるように、と勧奨なされているのです。
 本物の信心は、どのような逆境をも乗り越える糧(かて)となるものでありましょう。信心によって私たちの心に根付く「仏(ほとけ)の種(たね)」は、必ず大きな花を咲かせるのです。
 今生に…、そして来世に…。
 私たちは、素晴らしき光風が眼前に広がるという確信のもと、感謝合掌の気持ちを大切にして、日々を精一杯に生きてまいりましょう。
 大聖人の慈愛の言句(げんく)は、時代を超え、私たち一人ひとりの心に暖かく語りかけてくださっています。私たちを本当の幸せへと導いてくださるのです。

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