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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より解説者の役職・所属寺院名などは掲載当時のもの

草木は雨ふればさかう人は善根をなせば必ずさかう

解説:学林教授・大久保  本修寺住職 田中 靖隆

草木は雨ふればさかう人は善根をなせば必ずさかう

 今月のお言葉は、弘安三年(一二八〇)正月、駿する(静岡県中部)の南条氏が身延隠居の大聖人へ新春のご供養の品々を送られたことへの感謝の一文です。

 草木は雨がふれば茂ります。同様に人もまた善い行いをすれば、必ずさかえます。

 南条氏は「上野殿」と呼ばれ、大聖人とは家族ぐるみの交流で、供養の品は全体の三割を超えるほど多い、とくしんの一家です。実際に南条氏にてたお礼状は門下で最多となっています。供養の品々は身延の大聖人を助け、暮らしを支えられた大きな力でありました。

 このお手紙は自分にとっての善根についても色々考え、気づきの得られたものでした。

 私はせっかちですので、今日よいことをしたら近い内に結果をお願いします、と思ってしまいますが、なかなかそうはいきません。

 どうも、善根の良い結果は、時間をかけ、場所を選んで自分の子孫や兄弟や親、大切にしているもの(仕事や会社など)、ご縁のあるところに向くことがある気がします。

 私のお寺は小さいですが、役員の方、お勝手の方をはじめ近隣の檀家さんの方がとてもよくしてくださるのは、どう考えてもありがたく不思議なことです。日本の方で海外の生活の長い方にこのことを説明しましたが、「どういうシステムで人さまがそんなによくしてくださるのか?」「経費はどうなっているのか?」と、質問攻めでとても理解の及ばない様子でした。

 これは私の力では決してなく、どなたかの昔からの善根の結果を頂いていることなのだ、と気がつきました。

 どなたかの善根の結果を頂くばかりでなく、自分も何十年後か自分の知りえないところで、あるいは自分の死後にも、いつか花開くであろう善の根を増やしていけたらと思います。

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