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日蓮大聖人のおことば 布教誌『宝塔』に連載中の「日蓮大聖人聖訓カレンダー解説」より解説者の役職・所属寺院名などは掲載当時のもの

命と申す物は 一身第一の珍宝なり

出展:可延定業御書(昭定八六二頁)
解説:学林助教授・岡崎 長福寺住職 牧野真海

命と申す物は 一身第一の珍宝なり

 文永十二年(一二七五)二月のことです。後に六老僧の一人となる伊予公日頂の母で富木常忍の妻(富木尼)は病の床にありました。その容態を心配して大聖人が送られた書簡の一節が今月の聖訓です。
  大聖人は『法華経・薬王菩薩本事品第二十三(薬王品)」の経文を引用して、さらなる法華経信仰と、早急に医師に診てもらうことを勧めました。
  薬王品には、
「此の経は則ち為れ閻浮提の人の病の良薬なり。若し人病あらんに是の教を聞くことを得ば、病則ち消滅して不老不死ならん」
  と説かれています。そして大聖人が推薦した医師とは、なんと四条金吾頼基でした。金吾を推薦したのは、武士でありながら医術に長けた良医であり、負けじ魂を持ち、思いやりに満ちた裏表のない人柄で、何よりも屈指の法華経行者であることを挙げています。一般に「大聖人は過激な言動をする命知らずな人」というイメージを持つ人がありますが、真の大聖人は命はかけがえのない大切なものとお考えになる方でした。
  標題の文章の後に、
「法華経の一代の聖教に超過していみじきと申すは寿量品のゆへぞかし」
と述べられ、薬王品の経力も全ては寿量品の功徳であればこそ発揮されることを強調されます。
  だからこそ私たちは本門寿量品の肝心である「南無妙法蓮華経」を唱え、信じて受持するのです。
  法華経の功徳はすべからく如来寿量品によるものであることを忘れないようにしましょう。

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